第11回研究会3月22日(金)午後6時〜8時30分「憲法9条と自衛隊問題〜新たな「国防軍への道に対するAlternativeオルタナティブを考える」水島朝穂さん(早稲田大学法学学術院教授)

どなたでも参加できます。参加費は無料です。資料代が500円です。<国際貢献は「サンダーバード」が理想像 憲法学者が「救助組織」論>(『朝 日新聞』1992年11月9日)それから4半世紀、今や戦後最悪の安部政権は乱暴な解釈改憲による「集団的自衛権」行使を名目に米軍と一体化された自衛隊を世界中で米国の戦争戦略に加担させようとし、さらに自衛隊を9条に書き加える明文改憲によって、自衛隊の国軍化への道を一気に推し進めようとしています。こうした情況の中で、今回は水嶋朝穂さんをお迎えし、改めて「9条と自衛隊問題」を論じていただき、議論を深めたいと思います。どうぞお誘い合わせの上ふるってご参加ください。
お申し込みの受付は終了しました。

日時・場所

22 Mar 2019, 6:00 pm – 8:30 pm
エデユカス5階 会議室, 日本、〒102-0084 東京都千代田区二番町12−1 全国教育文化会館エデュカス東京

イベントについて

  今から26年前、まだ39歳だった憲法学者水島朝穂さんが中心となって、『きみはサンダーバードを知っているか―もう一つの地球のまもり方』(日本評論社、1992年)という快著を出版されました。人気SF人形劇「サンダーバード」を切り口に、日本による「非軍事の国際協力の方向と内容を、憲法の平和主義に即してわかりやすく説いた」、実に新鮮でユニークな本でした。

  それから四半世以上が経ち、今や戦後最悪の安部政権は、乱暴な解釈改憲による「集団的自衛権」行使を名目に、米軍と一体化された自衛隊を世界中で米国の戦争戦略に加担させようとし、さらに自衛隊を9条に書き加える明文改憲によって、自衛隊の国軍化への道を一気に推し進めようとしています。こうした情況の中で、今回はその水嶋朝穂さんをお迎えし、改めて「9条と自衛隊問題」を論じていただき、議論を深めたいと思います。

  どうぞみなさまお誘い合わせの上ふるってご参加ください。

★<国際貢献は「サンダーバード」が理想像 憲法学者が「救助組織」論>

(『朝日新聞』1992年11月9日)↓

国連平和維持活動協力法(PKO協力法)に反対する若手憲法学者たちが、カンボジアに派遣中の自衛隊に代わる組織として「ニッポン国際救助隊」の構想をまとめ、出版する。モデルは、ブームが再燃しているSF人形劇「サンダーバード」。国家に左右されず人命最優先を貫く、国際救助隊のドラマに胸を躍らせて大人になった学者たちは「きみはサンダーバードを知っているか-もう一つの地球の守り方」と題して執筆、新しい国際貢献のあり方を提案している。

本を分担執筆したのは、広島大総合科学部の水島朝穂助教授(39)を中心とする2、30代の憲法学者6人。PKO協力法案に反対する緊急声明を5月に出した全国憲法研究会のメンバーだ。「アニメ好きの高校生以上なら理解できるように」と、自衛隊とサンダーバードを比較しながら、PKO協力法と自衛隊の海外派遣の問題点を取り上げている。

この本では、あらゆる国家から独立、助けを求められれば分け隔てなく出動し、軍事力を持たないサンダーバードを国際救助組織の理想とする。

巻末には、19条から成る「ニッポン国際救助隊法案」を掲げた。設立目的は「(全世界の国民が)平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とした憲法前文の精神を実現すること。平和的手段を徹底するため「陸海空軍その他の戦力および軍隊類似組織の参加または協力」を認めず、武器の保有はもちろん、保持、携帯も使用もしない。他の国際組織にも協力するが「国連のPKOや軍事的制裁措置には関与しない」独自の活動としている。

サンダーバードに敬意を表し、「救助隊員の研修」で全32話の視聴を義務づけ、救助用装備はサンダーバード1号から映画版登場の6号まで「欠番」にするなど、ユーモアも交えながら、PKO協力法に疑問を投げ掛けている。

水島助教授は「子どもだましと言われるかもしれないが、人命優先に徹することの難しさとすばらしさを、サンダーバードほどイメージさせてくれる教材はないだろう。若い人たちにも、PKO協力法と比べながら、平和憲法にふさわしい国際貢献とは何かを考えてほしい」と話している。

http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1127.html

参考文献 『平和の憲法政策論』日本評論 2017年

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「国防軍」への道に対する Alternative を考える 」2019年3月22日講演レジュメ↓

はじめに―本日のテーマにかかわる“モノ語り”から

1.憲法で「平和」や「安全保障」について定めるとはどういうことか

(1)憲法の本質は権力制限規範

・「立憲主義」とは何か―人権保障(個人の尊重)と権力分立(水平+垂直)

・ 対外(外交・「防衛」)政策に対する立憲的統制

・ 平和は民主的多数決から免れて、常に選択されねばならない価値

  (高柳信一『人権としての平和』1975 年)

・ 安全保障の方法論は多様であるべきだが、立憲主義的前提が大切

(2)安全保障における 3 つの「転換」

・「防衛」概念の転換―空間軸と時間軸

  空間軸:「国土」防衛から「国益」防衛へ―今日の国防軍は国益防衛軍

  時間軸:事前・予防・先制的な攻撃

・「軍隊の警察化」と「警察の軍隊化」の傾向―軍隊と警察はどう違うのか

・ 安全保障における「官」から「民」へ―暴力の規制緩和と戦争の「民営化」

(3)戦争と平和の問題における「挙証責任の転換」

・「挙証責任の転換」―なぜ大規模な正規軍が必要なのか、なぜ高額の軍事費が必要なのか

 (軍と軍需産業の存続の危機)

・ 挙証責任無用の「逆転の論理」―「対テロ戦争」(恒常的非常事態)

2.自衛隊の平和憲法的解編構想(1997 年)の概略(目次+α)

(1)はじめに

・ カント『永遠平和のために』第 3 条項=「常備軍は、時とともに全廃されるべきである。」

・ 「BoA」(軍隊のないドイツ)のコンセプト

(2)「ポスト冷戦」と自衛隊の変容

 1. 世界の状況— 軍備の量的縮小と質的強化

 2. 自衛隊の新たな存在証明の必要性

・ 冷戦から「不確実性」へ— 組織・装備の変化

・ 軍事力の役割の再定義

  「軍事力=国際警察力」論、「総合抑止力」論、「準軍事的危機管理」論、

  「戦闘機能・非戦闘機能等価」論、etc.

(3)自衛隊の平和憲法的解編に向けて

  平和憲法的解編とは、軍民転換と自衛隊解編、解編構想の原則的視点

(4)自衛隊解編のための指針(ガイドライン)

・ 国際災害救援隊(仮称)の設置— 長期目標

・ 自衛隊解編の条件づくり

  国連軍備登録制度、兵器輸出の規制、地雷の一方的廃棄

・ 軍事機能の conversion(平和転換)

   救難任務、国際的な地雷除去活動の協力、環境保護任務、総合的防災事業 etc.

・ 装備・組織における転換

   正面装備の大幅削減、用途転換、人員・施設等の転換

・ 「安全保障の空白」にどう対処するか

3.22 年後の「解編」構想の再検討―「安全保障環境の変化」に対応して

(1) ポスト「ポスト冷戦」時代へ

・ トランプ政権とポピュリズム権威主義政権の拡散

・ 国家間戦争の再来?―軍事産業の有効需要創出のための「安心保障政策」

・「グローバル格差社会」と「地球気候変動」

(2) 「安全保障環境の変化」による「軍事的なるもの」の展開

・「自衛隊」から「国防軍」へ―「専守防衛」からの離脱

・ 1954 年政府解釈(自衛力合憲論(「自衛のための必要最小限度の実力」)からの転換

 (2014 年「7.1 閣議決定」〔集団的自衛権行使容認〕と安全保障関連法)

・「加憲」的改憲による 9 条 2 項二段階削除の方向とその矛盾

(3) 東アジアの集団安全保障体制に向けて-「日米同盟」オンリー主義の破綻

・ 米朝「平和宣言」による東アジアの変動

・ 日本は「全周トラブル状態」―露・中・北朝鮮・韓国、そして米

・ 「地球儀を俯瞰する外交」と「積極的平和主義」の破綻

・ 辺野古新基地建設の自己目的化とその破綻―2.24 沖縄県民投票の効果

・ 東京五輪を前に、「日米地位協定」の矛盾激化(「航空法特例法」と横田ラプコン etc.)

(4) 日本国憲法による平和の「守り方」と「創り方」

・ 日本国憲法は一国(一刻)平和主義ではない―創造的・積極的平和主義

・ 平和の担い手(アクター)の転換:地方自治体と NGO

(最近では、CSO〔市民社会組織〕という)の役割と可能性 ―対人地雷禁止条約とNGO(1997 年)

「 クラスター弾禁止条約」とNGO(2008 年) 「核兵器禁止条約」とICAN(2017 年)

・「非暴力的・民間的平和活動」― 紛争の非暴力的解決の組織と技法

・ 自衛隊に対する立憲的統制―国会の機能の強化に向けて、防衛オンブズマン制度の創設、

  「統治行為」論を超えて(恵庭、長沼、イラク派遣訴訟判決の意義)

・ 自衛隊の「解編」と「人権としての平和」(平和的生存権)

むすび―日本国憲法の平和主義の創造的発展

《水島朝穂さん プロフィール》

1953 年、東京都府中市生まれ。

東京都立国立高校卒。

早稲田大学法学部卒。

早稲田大学大学院法学研究科満期退学。

札幌学院大学、広島大学の助教授を経て、1996 年より早稲田大学法学部教授。

2004年より法学学術院教授。憲法、法政策論。博士(法学)。

全国憲法研究会代表(2013 年~2015年)

憲法理論研究会(創設者・鈴木安蔵)代表(2010~2012 年)。

単著

『平和の憲法政策論』日本評論社  2017年7月

『現代軍事法制の研究』日本評論社  1995年11月

『ライブ講義 徹底分析!集団的自衛権』岩波書店  2015年4月

『はじめての憲法教室』集英社新書  2013年10月

『戦争とたたかう―憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』岩波現代文庫 2013年6月

『18 歳からはじめる憲法』法律文化社  2016年6月

『東日本大震災と憲法』早大出版部  2012年2月

『時代を読む』柘植書房新社  2009年4月

『武力なき平和―日本国憲法の構想力』岩波書店(デジタル)(1997年7月紙)

『憲法「私」論』小学館  2006年4月

『同時代への直言』高文研  2003年1月

『この国は「国連の戦争」に参加するのか』高文研  1999年3月  ほか

編著

『立憲的ダイナミズム(日本の安全保障 3)』岩波書店 2014年12月

『改憲論を診る』法律文化社  2005年5月

『世界の「有事法制」を診る』法律文化社  2003年5月

『ヒロシマと憲法』法律文化社 (1994年6月)新版 2003年5月

『オキナワと憲法』法律文化社  1998年6月

『現代立憲主義の認識と実践〜浦田賢治先生古希記念論文集』日本評論社 2005年11月 他

共著

『検証 防空法』法律文化社  2014年2月

『沖縄・読谷村の挑戦』岩波書店 ブックレット 1997年10月 ほか多数 

NHKラジオ第1放送「新聞を読んで」レギュラー14 年(2011 年 3 月番組終了)。

参議院の憲法調査会、憲法審査会、外交防衛委員会、

衆議院テロ・海賊対策特別委員会等の参考人。

HP「平和憲法のメッセージ」(http://www.asaho.com/)連続更新 22 年。

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